ビクターロック祭り2017に行ってきた:竹原ピストルが物凄かった

妻の友人に誘われ、今年もビクターロック祭りに行ってきた。
ビクターに所属するアーティストが集い、幕張メッセを貸し切って行なわれるこのイベント。
さしづめビクターの品評会という位置付けなのかもしれないが、アーティストの演奏は所属会社への誠意が込められていて、とても盛り上がる良いイベントだと思っている。

やや体調不良もあって、Dragon Ash(15:30〜)から会場に足を運んだ。
観たアーティストは、

・Dragon Ash…2曲だけ
・KREVA…1曲だけ
・never young beach…フルで観た
・レキシ…ほぼフルで観た
・竹原ピストル…フルで観た
・サカナクション…フルで観た

という感じ。夜の本気ダンス、ADAM atも観たかったが、今回は見送った。

さて、それぞれのレビューを書いてしまうと無尽蔵な長さになってしまう。
なので本エントリでは、物凄かった竹原ピストルのことを書こう。
住友生命のTVCMの影響で「よー、そこの若いの」が広く聴かれることになったが、もともとは野狐禅というバンドを組んでおり、HEY!HEY!HEY!やトップランナーにも出演していたことがある(野狐禅は2009年に解散してしまったようだ)。

アコースティックギターによる弾き語り。
歌を歌い、歌唱の最後に曲名を言い、時々少しだけ喋る。
派手な照明など演出があるわけでもない。たった独りだけステージに立つ。至ってシンプルだ。
(ヘッドライナーのサカナクションとは真逆と言っていい)

なのに、あるいは、だからこそ。
彼の土臭い歌唱とシンプルな言葉は、僕の胸を何度も打った。

君だけの汗のかき方で、君だけの汗をかいたらいいさ(よー、そこの若いの」)
薬づけでも生きろ(「LIVE IN 和歌山」)
あの頃の君にあって、今の君にないものなんてないさ(「Forever Young」)

「俺のアディダス〜人としての志〜」も良かった。とにかく素晴らしかった。

何を歌うか、ではなく、誰が歌うか。
竹原ピストルがこれまで経験してきたことが、30分という短い時間の中に凝縮されている。口角泡を飛ばすように激しく言葉を連ねるときもあれば、穏やかに強く歌い上げることもある。

乱暴な言い方をすれば、僕は彼が送ってきた人生とはまるで違っている。
若くしてメジャーデビューを経験するが、バンド解散後はインディーズで年間300本近くのライヴをこなしたそうだ(「それしか自身をプロモーションする手段がなかった」と彼はインタビューで語っている)。大変な紆余曲折だったと思う。苦難の時代と言ってもいいのではないだろうか。

そして最後は詩の朗読。「のろし」という自作の詩を読む。

アンダーグラウンドから狼煙をあげる
アンダーグラウンドから狼煙をあげる
アンダーグラウンドから狼煙をあげる
アンダーグラウンドから狼煙をあげる
アンダーグラウンドからのし上がる

この言葉を、堂々と言える竹原ピストルというアーティストの価値よ。
物凄い存在感の竹原ピストルは、レキシやサカナクションなどの派手でピースフルなステージとは対照的に、だけど圧倒的に観ていた人々の心を掴んだはずだ。心に、まるで楔のようなものを打ち付けたんだと思う。

ちなみに彼は、日本アカデミー賞で優秀助演賞を獲得した。
西川美和が監督を務める「永い言い訳」という作品だ。僕はまだ観ていないが、竹原ピストルという人間そのものに興味を持ったので、俳優としての姿も観てみたいと思う。すごい人間だ。敬意しかない。

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