剛力彩芽の力強さ〜剛よく柔を制す〜

このエントリ、結論から述べると剛力彩芽さんの力強さを書く。

gouriki

それに先立ち、まずは音楽ジャーナリストの宇野維正氏の剛力評を紹介する。
剛力彩芽のデビュー曲はなぜ炎上したのか?

異性にアピールするのか、同性にアピールするのか、オシャレなイメージで売り出すのか、親しみやすいイメージで売り出すのか。今回の『友達より大事な人』の「元気なクラスメイト」というぼんやりとしたコンセプトからは、肝心なリスナー像が見えてこない。まさに「誰得」な楽曲に仕上がってしまっているのだ。

氏はこの記事を書くにあたって、魅力が彼女には確かにあると自分は思う、というように、中立な立場からも彼女のことを評価している。ただ、この売り出し方に疑問を呈しているというわけだ。

翻って自分のこと。僕は剛力さん、特に好きではない。ネットバッシングで見られるようなアンチでもないものの。だって、他の女優やタレントと比べると可愛くないではないか。

「可愛い」とはなんだろうか。この個人差がある問いに対して、なるべく私見を排除するように努めて考えてみる。

例えば、AKIRA主演「GTO」に出演していた瀧本美織、川口春奈、本田翼。彼女たちは「誰もが魅力的」と思われるチャーミングさを持っている。目がパッチリしていて、笑顔が眩しくて、ちょっとドジっぽいキャラクターも垣間見える。朝ドラで20%強の視聴率を誇る「あまちゃん」の能年玲奈、東北弁を喋る彼女もとってもキュートだ。ずっと前から僕は思っていたが、日本の若手女優は次から次へとニューカマーが現れる。僕は28歳で、そろそろおっさんに成ろうとしているわけだが(もう、おっさんかもしれない)、そんなおっさんからすると、自分より年の若い女優が出てくるのは喜ばしいことだ。しかしながら、ちょいとスピードが速い。

だって、宮﨑あおい、長澤まさみ、堀北真希、綾瀬はるか、上野樹里、満島ひかり、武井咲・・・。彼女たちもまだまだ20代の若手。上述した女優に比べるとキャリアも積んでおり、いっぱしの実力派としてテレビや映画の世界で当たり前のように活躍するようになった。多かれ少なかれ「濡れ場」に近いシーンもあったりする。書き忘れていたが、上戸彩や新垣結衣も石原さとみも、一世を風靡した女優と言えるだろう。

そんな中で、例えば川口春奈。

あなたは知っているだろうか。今クール、彼女がヒロインとして連続ドラマに出演することを。Kinki Kidsの堂本剛さんと一緒に「天魔さんがゆく」という深夜ドラマに出演するのだ。え?深夜ドラマだって?!

深夜ドラマの是非を細かく言うつもりはないが、僕はそろそろ彼女がフジテレビの月9などでヒロイン役を張っても良いはずだと思っていた。ルックスも申し分ない。演技だって悪くない(GTOでは少し影のある女子高生を演じた)。主観になっちゃうけど、僕は彼女のことが大好きだ。

この原因は、少し触れたように、若手女優の多さ、スピードの速さに起因すると思っている。この2つが、結果的に「入れ替わり」の速さに繋がってしまうのであって、良い女優であっても埋もれてしまうことが少なくない。

芸能事務所にとって、女優は大切な財産だ。実力のある女優は安売りしないし、キャリアのない女優は猛烈にプッシュする。ということをエクスキューズに挙げておくと、上野樹里は2011年のNHK大河ドラマに主演して以来、目立った作品に出演していない。一旦温めている可能性もあるだろう、しかしながら、彼女がしばらく出演していない事実に気付いている人がどれだけいるだろうか。

前段が長くなった上、肝心の剛力さんのことはそれほど触れるつもりはない。

宇野氏曰く、剛力さんの新曲は、

『友達より大事な人』は80年代まんま。今時、どうしてこんな古くさいサウンドにしたのか謎。そして、もっと混乱させられるのはミュージックビデオだ。楽曲のイメージ通りに学校を舞台にした作品なのだが、その中で剛力彩芽はまるでR&B系シンガーのように踊りまくる。5歳からダンスをやっていて、以前からCMの中でもキレキレの踊りを披露していた彼女。この曲も同じシリーズのCMソングとしてオンエアされているので、そこの整合感だけはあるのかもしれないが、歌詞、サウンド、リズム、ダンスの振り付け、それぞれのバランスがメチャクチャ。さらに言うなら、CDジャケットのアートワークの写真や色彩や文字のフォントもすべてがチグハグ。とにかくいろんな人の意見をすり合わせていくうちに、よくわからない場所へ不時着してしまったという印象

と評している。

しかし僕は、クオリティの質が高い低いを別にして、しかも幸か不幸か論じることもせずに、たくさんのエクスキューズを挟みながら、短期的にメリットを生み出してしまっていると考える。

「可愛くない」「よく分からない」「歌が下手」「バランスがメチャクチャ」。色々な悪循環は、他の女優やタレントと一線を画している。こんなにも何を考えているか分からない女優は初めてだ(何を考えているか、知りたくない女優も初めてだけど)。それが妙なミステリアスを生んでいるのではないか。それが多くの老若男女に飛び火して、「剛力?なんか好きじゃないけど気になる」に繋がっているのではないか。

でなければ、あれだけ頻繁にYahoo!ニュースには載らない(たぶんAKB48の次くらいに載ってるんじゃないかな)。でなければ、月9にも起用されないし、高くはないにせよ平均視聴率11.3%だって取ることはできなかっただろう。

剛よく柔を制す。いにしえの諺とは逆、そんなに定説が覆されるとは思えないから、剛力さんのブームだってそうは長く続かないだろう。しかし、美貌や才能のある若手女優が、脚光を浴び切らない時代の中で、剛速球の如く、トップランナーを駆け抜けている剛力さんのことを、僕は安直にバッシングすることはできないのである。

◎追記◎

http://www.youtube.com/watch?v=QR6Gj0MKcew

7月11日現在、剛力さんの新曲は、YouTubeにて380万回の再生がある。単純比較はナンセンスだが、同じレコード会社、ロックバンドのDr.DOWNERの新曲『レインボー』は1.7万回の再生に留まっている。

http://www.youtube.com/watch?v=1D9O6iazCgU&

まあ、こっちの方が情熱感じられて良い曲っぽいけどな、おかしいな。